広島市立大学芸術学部 入学者選抜参考作品2026
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マ ッ スとらをも捉とら一つの塊として捉美術学科 彫刻専攻 一般選抜(後期日程)問題 ?自刻像」を粘土で制作しなさい。塑造  7 時間 塊として【モチーフ】 自身の頭部【配付物】 粘土(約20kg)、木材、回転機、アングル付き塑造版、塑造ヘラ、シュロ縄、ペンチ、ノコギリ、霧吹き、ビニール袋、鏡(イーゼルに設置)基本的な塑造力と造形感覚および構成力をみる。課題は「自刻像」の制作です。基礎的な観察力、造形力に加え構成力や表現力が重要になります。 観察に際して最も難しいのが、鏡では見ることができない背面の形の把握です。その場での視覚情報だけでなく、手で触って形を確かめることや、日頃の観察や学習による頭蓋骨の形態把握も必要となります。日頃から目に映るものを立体物として把握する癖をつけ、対象を頭の中で回転できるようになると、制作がとてもスムースになります。造形については、表面的あるいは説明的になってしまうと、頭部全体の構造や量の力強さが失われてしまうことがあるので、注意しましょう。構成については、動きを自由につけることができ、また顎下のどこで切り取るかという判断が必要になります。彫刻作品として力強く、美しく魅せるために造り始める前に、ある程度の構成を決めておくことが必要です。表現としては、生きた生身のモチーフであることから、その生命力や質感、人格や意志などえられると充実した魅力的な作品となるでしょう。右の参考作品は、細部と全体のバランスがよく、表面的な要素にとらわれすぎずに頭部をえられており、素直な観察と安定した造形力を感じさせる秀作となっています。身体には各々個性があり同時に普遍性を持っています。観察しがいのあるモチーフなので、日頃の学習に存分に取り入れてほしいと思います。 出題 意図17

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